【イ軍編2680】気持ちで乗せれば忖度ヒットもぎ取れるんじゃないかという風潮
ミスタープロ野球2世にして、最弱イ軍のサードベースマン、魅沢。未だ球界に強い影響力を持つミスターへの忖度で、各球団とも魅沢に忖度ヒットを打たせるべく選りすぐりの棒球投手をぶつけていたのものである。――――が、風格はメジャー級ながら実力はリトルリーグ級なだけに凡退を繰り返し、各球団の頭を抱えさせていたものである。
「ぽっくん(魅沢の愛称)の野郎、技術だけじゃなくてメンタルの方も何か問題ある可能性が微レ存…?」
という仮説を立てたバ軍の正捕手奈良橋が、魅沢の打席で異例の囁き戦法を展開。
「ぽっくん、いよいよパッパに似てきてカッコEくなってきたなあ。あまりにも眩し過ぎて、よう見られんわ」
てな感じで、お世辞オブお世辞を繰り出したのであった。
この純度100%の嘘に、しかし魅沢は「当然やろ」的なノリで「フッ…」と微笑。明らかに気分が乗ったっぽい感じに、(これは忖度ヒット頂きやろなあ)と、奈良橋も肩の荷が下りた思い。
だが、果たして魅沢はワンポイントで投入された忖度リリーフが投じた渾身のド真ん中棒球を、まさかの見逃し三振。
「ちょ、待てよ!」
と、思わず八百長疑惑待ったなしレベルで叫んでしまった奈良橋を尻目に、魅沢は悠々とベンチへ引き上げるのであった。
「奈良橋はん、その呟きはズルいやで。ファンの事を何よりも大事にするワイに、ワイのガチオタ相手に本気を出す事なんて出来るワケが無いんやからなあ。また野球選手である前に人として大勝利してしまった(ウットリ震え声)」




