【城戸編102】セルフキラー
5月の時点で借金19、一足早く消化試合モードに入っていたイ軍。
しかし対マ軍戦での9回裏2死1塁、イ軍のMK5(マジで解雇5秒前)こと打率一割台で絶不調の城戸が、まさかのサヨナラホームランを放ったのであった。
「ぴゃああああああああwwwwwwwwwwwwwwww」
と、気でも狂ったかのように小走りで塁間を廻り始めた城戸。
そこに、マ軍一塁手の沢木が声を掛けたものである。
「さすが城戸さん、これぞ4番の仕事だな。あんたが1500安打を決めた時のホームランを思い出すよ」
「だろ!? 俺もあの時の事がオーバーラップしてたわ。マ軍戦で、お前がまだ三塁守ってる頃だな。あの年は最下位確実と言われながら俺の1500安打で息を吹き返して、首位とのゲーム差を9.5にまで縮めた伝説のシーズンよ。終盤には5割ラインまで見えてきた黄金時代、その再来を予感させる俺の劇的なホームランにファンも黙っちゃいないようだな」
そう、マ軍ファンは棚ボタごっつぁんゴールに狂喜し、イ軍ファンは想定外のとんでもない事態に黙っちゃいなかった。
塁間を並走する沢木に武勇伝を聞かせるべく、ロクに前を確認せずにダッシュしていた城戸は、一塁走者の竹井がマ軍二塁手と世間話をしているのに気付かず、万事休す。
城戸の武勇伝語りたい病を利用したマ軍の策略でサヨナラホームランが一転追い越しアウトになってしまい、イ軍は5月にして借金20を達成。今年の最下位を半ば決定付けた試合として、散々振り返られる試合となったのであった…。




