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【相原編⑦】売られた喧嘩はバズーカ砲で返す
イ軍のエース相原にも新人時代があった。
今でこそ絶対的な存在としてイ軍では一目置かれている相原であるが、入団一年目は人を人とも思わぬ不遜な態度で、先輩連中からは目の敵にされていたものである。
二軍での守備練習でも、送球がちょっとでも逸れると野手が捕ってくれず(動きが悪過ぎて取れないという話もあるのだが)、その度に相原が球を拾いに行く羽目に陥っていたのであった。
しかし、ある日を境に状況は一変する。
相原の送球を野手連中が捕球するようになったのである――いや、捕らざるを得なくなったのだ。ピンポイントで150kmオーバーの速球が顔面にコントロールされてくるため、反射的にグラブを出してしまうようになったのであった。
相原、
「いやあ、先輩方のおかげでコントロールがつきましたよ」
と、言ったとか言わないとか。
売られた喧嘩にバズーカ砲で返すと言われる相原伝説の、初期エピソードであった。




