【イ軍編2652】ザ・忖度4.0
態度はメジャー級、野球の実力はリトルリーグ並の最弱イ軍サードベースマン、魅沢。かつて国民的大スターであったミスタープロ野球をパッパに持ちながらも、才能だけで何とかしようというゼロ練習スタイルが祟り、ただでさえ2割ジャスト前後がデフォの打撃が、今年は更に悪化。打率1割第前半をうろつく、末期的な状態に陥っていたものである。
だが、低迷する打率とは裏腹に四球が激増し、1試合1個ペースで出塁率は3割に迫る勢いなのであった。
「みんなワイの一発長打を異常警戒し過ぎなんだよなあ…。まあしかし、四球は強打者の勲章や。このフォア・ザ・チームの鬼っぷりで“国民の孝行息子”呼ばわりされる未来も近いで」
てな感じで不敵な笑みを浮かべる魅沢であったが、そこには実際、対戦チームの非常な苦労が存在していたのであった。以下、某チームのバッテリーミーティングより抜粋――。
「ミスター(魅沢のパッパ)への忖度でぽっくん(魅沢の愛称)にド真ん中へ棒球投げまくっとんのに、全部凡退しよる。手の打ちようが無いがな」
「もう四球で誤魔化し、勘弁してもらうしかないやろ。ぽっくんにビビッてストライク入りませんでした設定で行くしかないで(震え声)」




