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【イ軍編34】絶対に勝たねばならない戦いがそこにある
サ軍―イ軍のオープン戦。
シーズン開幕直前のタイミングとあって、両チームともほぼベストメンバーと言えるラインナップで試合に臨んだものである。
わけてもサ軍の気合の入りようは尋常でなく、オープン戦というのにベンチ前で円陣を組んだり、本番さながらの声出しを敢行、更にはこの時期としては異例の全力プレーを見せたのであった。
「フッ、サ軍の連中、今年は俺達をペナント最大のライバルと見てるってワケか」
「あいつら今からこんなに必死こいてちゃ、本番でバテちまうぞ」
イ軍ナインは全開サ軍を嘲笑うかのように流しプレーに終始し、1-19で大敗したのであった。
一方その頃、サ軍選手ロッカー。
「いやあ、イ軍とやる時は常に嫌なプレッシャーありますね」
「ああ、打って当たり前の相手とやると疲れるよ。イ軍戦で打たないと、他でも打てないと思われてレギュラー外されちまうからな」




