【イ軍編2616】マウンドの詐欺師によるオールスター思い出作り買収疑惑
最弱イ軍の第二先発「歩く違法投球」こと神崎が、オールスター監督の推薦を買収して強引に出場――。そんな怪情報が、球界を駆け巡ったものである。今シーズン、先発として前半戦で3勝8敗、防御率4.87と、確かに普通なら選ばれない成績ではある。だが、怪我による辞退ラッシュでの先発陣のコマ不足、更には自チームから人を出したくない、さりとて他チームから選べば優勝争いを睨んでオールスター私物化を疑われる――。そんな極めて難しい状況を、ペナントとは実質無関係(弱過ぎて)のイ軍から選出する事で解決する、というストーリーを提案され、買収されたのであった(お中元の箱の底に意味深な封筒)。
果たして、オールスターに代替出場が決まって以降、鬼気迫る表情で調整に励む神崎。気が付けば齢40、プロ野球選手としては晩年も晩年なだけに、思い出作りに全力投球――――と思いきや、本人的には目線が無駄に高く設定されていたのであった。チームメイトの草加部に「今年で辞めんの?」と、問われて曰く、
「世間じゃ思いっきり勘違いされとるみたいやがの~、ワイの意図するところは完全に真逆よ。オールスターで、普段は投げないようなキレのある球を投げといてよ、その残像を他球団の奴らに焼き付けとくワケや。それで、ペナントに戻ったら球速を抜いたチェンジアップを多投すると。そのギャップでびっくりさせて勝ちに行く、このオールスター出場で、あと3年は現役生活を延命させる予定やねん」




