【イ軍編2609】最弱流隠密盗塁術
毎年恒例の最弱イ軍体力測定で、50m走が同年代の平均よりちょっと下なものの、野手の中ではチーム最速である事が発覚した奥田。
「ほなら足を活かす方向に舵を切るッ! 得意な事を伸ばしてオンリーワン、最小限の練習で現役生活送ったろ」
という事で、練習嫌いが高じて、打撃と守備を放棄して、チーム唯一にして最高の代走屋を目指す運びとなったのである。
だがしかし、いくら足が速いとはいっても、それはガバガバボディ揃いの最弱イ軍内の話。対戦バッテリーにちょっとまともに警戒されただけで、奥田は代走出場からの盗塁死を量産。しかし対戦投手の癖を読んだりするのは面倒なので、
「だったら気付かれなければいいじゃな~い」
と、奥田は存在感を消す方向にシフト。微妙に背景に溶け込むように化粧したり、一切喋らなくなったりと、空気と一体化する事に成功。その結果、盗塁成功率は4割台から5割台へ向上したものの、今度はベンチで存在に気付かれなくなり、起用が激減して無事死亡。しかし、球団幹部からも存在が認知されなくなった事により、試合には出ないが何故か選手名簿に名前が残り続けるとかいう怪現象が発生。現役生活16年を全うしつつ副業に精を出した事で(試合に出られないから暇)、金銭的にはそれなりに幸せな人生を送ったのであった。




