【イ軍編2577】撒き餌系投手殺し野手陣
40を超えたロートルながら、先発ローテ6番手としてシーズンで5勝前後を挙げる老獪なピッチングを披露する関西の雄サ軍の超ベテラン投手、楠木。しかし、年下の投手コーチの言う事をガン無視していた事で規律を乱したとされ、サ軍を自由契約の憂き目に遭い、流れ流れて「球界の掃き溜め」こと最弱イ軍に加入したのであった。
その計算され尽くした投球術が最弱イ軍でも発揮され、投手陣を変えると期待されての入団であったが、残念ながら防御率8点台と全くいいところ無し。2年契約の2年目には一軍登板ゼロとかいう、球団的にはコスパ最悪な形で現役生活の幕を閉じたのである。
当然ながら、イ軍オタからは「給料泥棒」「サ軍の工作員」等々、全力ブーイングが殺到したのであるが、楠木本人による怒りの反論会見に、誰もが涙&掌返し不可避に追い込まれたのであった。曰く、
「ワイも40を超えてスタミナが無うなっとったから、ペース配分命の投球よ。点取られてもピンチ迎えても、ここという場面で抑えられれば、野球は勝てるもんなんや。相手打線の鍵になる打者に、どうでもいい場面ではテキトーに打たせてイメージを付けとくんやね。『楠木の投球はこうや』てな感じで。それでその残像を武器に、勝負所で本気出して違う配球で抑えると。ただの~、そこで最弱イ軍のガバ野手陣やねん。ワイが撒き餌で打たれとる場面で、奴らも『楠木はこの打者苦手ンゴ』と刷り込まれて、『どうせ打たれるやろ』と、まともに守らんくなるんや。せっかくワイが凡打コースに抑えても、ただでさえガバガバボディで激狭な守備範囲やのに、その上で守備を雑に流すもんやから、もうどうにもならん。この歳になって野球は一人では勝てん、チームスポーツやいう事を思い知らされたわ(憤怒震え声)」




