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【相原編⑥】年一の贅沢
イ軍の新鋭投手相原が監督推薦でオールスターに出場した。
シーズン前半で2勝10敗ながら、防御率3.13、奪三振134という数字が買われたのである。
出番は2戦目の4回頭から、当然奪三振を期待されたのであるが、3回を投げて無安打に抑えたものの、のらりくらりとした投球に終始して三振は無し。「こういうところで手抜きするのがさすがイ軍戦士」と、大ブーイングを喰らったのであった。
しかし、試合後のインタビューでは、暗にイ軍野手陣を激しくディスりながらも本人は充実感を漂わせて満足気に語ったのであった。
「三振? いやあ、勿体なくて全然狙わなかったですよ。つーかオールスターに出る人らは凄いですねやっぱ。打たせたらちゃんと捕ってくれますもんね。イ軍じゃ三振以外でアウトがまともに取れないからねえ…。まあキャッチャーもよくポロリしてますけどね藁。まあ年一でこういう贅沢させてもらって、楽しかったですよ」




