【マウンドの詐欺師 神崎編⑯】バット折り職人
「そうだな、今日は7~8本折ってやるよ」
“歩く違法投球”ことイ軍先発神崎が、マ軍戦登板前日にぶち上げたものである。
常日頃、あらゆる手段を使って違法投球を繰り出す神崎に対して煮え湯を飲まされ続けている審判団は、今回の挑発的言動に大激怒。何としても神崎の尻尾を掴むべく、非公式に大調査団を組織したものである。
神崎本人はもとより、イ軍用具係、新宿スタジアムスタッフ、親しいマスゴミ関係者、違法用具提供の噂が絶えない外人リバース等々、考えられるあらゆる要素に対して厳重に査察。
その結果、審判団は
「さすがにこれで神崎もお手上げだろう」
という結論に至ったのである。
だがしかし、自分を取り締まろうとする連中を嘲笑うかのように、神崎は試合の勝負所でバットを折ってはピンチを切り抜けるのであった。
試合中、審判が何度も抜き打ちで検査をしたものの、結果はシロ。結局またしても神崎のいいように翻弄されてしまったのであった。
その後、神崎はベンチで今回の件の協力者であるリバースとハイタッチしたものである。
「審判とマ軍の連中、俺ばっかマークし過ぎなんだよな。だからバットの方が事前に細工されてた事に全然気づかねえんだよ藁」




