【イ軍編2545】DVで倒れた元監督の背番号をキャップに書き入れる男たち
日本プロ野球開幕戦、最弱イ軍の戦犯系ベテランズの間で、ある胸熱ムーヴが大流行。ヘルメットの庇の裏側に、数字の「72」を書き入れる者が続出したのであった。この72、かつてイ軍の前身球団で2年連続15本塁打をマークして四番打者に君臨した岩下が、イ軍に監督として復帰した際に付けていた背番号。監督時には度を越えた懲罰、パワハラ、バイオレンスで選手から訴訟の嵐で、グラウンドよりも法廷でコミュニケーションした時間の方が長かったとかいう曰く付きの人物であったが、今年の正月、ヨッメへのDVの際にクロスカウンターを喰らって長期入院。天敵であったイ軍戦犯系ベテランズはさぞかし溜飲を下げているかと思いきや――。
「奴ら、イ軍におる時は散々手こずらせよったのに、実はかなりのハートフル軍団なんだから…。その気持ちにワイもリハビリ頑張る事で応えたる! そしてこっそり応援に行ったのがバレてしまい感動の対面、ドキュメンタリーとして出版されてヨッメとの離婚訴訟費用捻出やねん(震え声)」
という岩下の感動は、当日しか持たなかったのであった。
以下、翌日のイ軍戦犯系ベテランズのロッカールームトークより――。
「よしゃ、帽子の数字書き換え完了、今日であと71日やからな」
「待ちに待ったモン〇ンの新作やからの~。楽しみ過ぎてカウントダウン作業にも熱が入るやで」




