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お笑い野球イディオッツ!  作者: 山岡4郎
おいでよ最弱の闇
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【イ軍編2533】これがミスタープロ野球二世の本気だ

 実力はリトルリーグ並だが、パッパであるミスタープロ野球への大忖度で、開幕から全試合レギュラー出場が続いている最弱イ軍のサードベースマン魅沢。しかしバーチャ〇ァイターの新作発売直後から徹ゲー(徹夜でゲーム)が続き、コンディションは最の悪。打席でも三塁でも地蔵と化していたのであった。

 そんな状況のある日、魅沢が試合前練習に遅刻して球場入り。しかも「コッロがいよいよヤバいから」と、グラサン&フェイスガードの完全防備で現れたのであった。

 ――今日の魅沢は、何かが違う――

 怪し過ぎるビジュアル以上に、発する気配・オーラが普段とは明らかに異質なのである。

 果たして第一打席、対戦投手によるミスターに対する忖度での打ち頃のボールを、バットの握りを余らせた鋭いスイングでジャストミート。たまたま遊撃手の正面だったものの、通常なら絶対に有り得ない強い打球に、誰もがおったまげ不可避なのであった。

 その様子を、イ軍球団貴賓席から驚き&ドヤ顔で眺める幹部たちの姿が――。

「ぽっくん(魅沢)が連日の徹ゲーで起きてこないから、連続試合出場の記録を維持する為にミスターが身替り出場するいう話を持ち掛けられた時は、一体どうなる事かと思ったがなあ」

「さすがミスタープロ野球、60代でも全然動けてますね。ていうか比較対象が魅沢だから、てのも大きいですが…(震え声)」

「せやで、魅沢がガバガバボディやから、ミスターの還暦ボディが入れ替わっても誰も気付いとらんがな。しかしあんだけ凄い打球飛ばせるんやったら、週一で出てもらえればかなりの戦力アップになる可能性が巨レ存…?」

 と、夢が拡がったのも束の間。

「今日の魅沢はオーラやべぇから、フツーに投げざるを得んでコレ」

 てな感じで対戦投手が忖度を回避した結果、振れると言っても還暦スイングでは全く歯が立たず、結果的には毎試合1本は期待出来る忖度ヒットも無く全打席凡退。

 更には守備でもいかにも取りそうな雰囲気を纏いつつも寄る年波には勝てずにそこまで動けず、隣で守る遊撃の草加部のリズムを狂わせてしまい、穴を開けて無事死亡。

 まだ魅沢本人が出てきた方がマシだったというオチが付く、魅沢ファミリーも球団も得をしない、一挙両損系ボールが完成してしまったのであった。

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