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【チョ・マテヨ編⑥】偽りのマンセー
昨年のテストで入団し、北朝鮮系ベネズエラ人のチョ・マテヨと先発5番手の座を争うジョンソン。
キャンプの紅白戦から両者同じ程度に打ち込まれ、オープン戦での防御率は共に6点台で、甲乙付け難い内容(※ただし超低レベル)であった。
この事態に危機感を覚えたジョンソンは、マテヨに禁断の催眠術を敢行。
「これで奴はストライクを投げられない(まあもともと投げられないが)」
と、邪悪な笑みを浮かべるのであった。
が、北朝鮮の事情を知ったかぶったジョンソンの目論みは完全にアテが外れる。
何と、催眠を喰らった筈のマテヨが全球ストライクかつ150kmオーバーの速球を連発する、ヤラセにしても出来過ぎな現象が発生したのである。
「一体どうなってやがんだ!? 奴らの国では将軍様は絶対じゃねえのか! マテヨの野郎もいつもマンセーマンセー言ってんじゃねえか!」
そう、ジョンソンの催眠――ミットが将軍様の顔に見える――の効果で、マテヨは怒りが原動力のストライク剛球を投げ続けたのであった。




