【城戸編511】首位打者争いで最愛のマッマを人質に取られた主砲!
セリーグの首位打者戦線も、シーズン最終日を迎えていよいよ大詰め。最弱イ軍の「40億の凡打製造機」城戸と、マ軍一の嫌われ者芝池が、完全同率3割3分3厘で並んでいたのであるが、それぞれ単独一位の方がインセンティブ高いとあって、同時欠場の目は全く無し。更には、両名ともチーム内での人望が絶望的な為、援護の四球攻めも有り得ないとあって、ガチの真剣勝負となったのである。
だが、野球生活18年目で初めてのタイトル獲得チャンスという事実が、芝池の中の悪魔をとんでもないド畜生ムーヴに駆り立てた。城戸が極度のマザコンであるという噂を真に受け、城戸マッマを「ワイ! ワイワイ! 出張イケメンホスト軍団でーす」みたいな仕込みで連れ出し軟禁、城戸を「今日打ったらマッマの命は無いと思ってどうぞ。ポリスに連絡したら絶対頃すマン」と、脅迫してしまったのであった。
この事態に、ロッカーで電話を受けた城戸は「マッマ~~~~!!!!」と絶叫。スパイから城戸があからさまに動揺していると報告を受けた芝池は、邪悪な笑みを浮かべたものである。
だが、芝池は城戸のマザコンが綺麗な回転のマザコンと決め付けていたのが、悲劇の始まりであった。マッマ大好きは間違いないのだが、幼少時のハード教育マミー態勢で、城戸的にはソフト虐待されてたような感じになっており、潜在的なわだかまりを抱えていたのであった。
マッマの命を守る為にヤラセ凡退と思われた城戸は、異常な集中力で四安打の固め打ち。しかも一本打つ毎に脅迫係の携帯に電話し、「マッマの危険を確認させろ~ッ! ――あとマッマの苦しむ声を聴かせて下さい。なるべく大音響&クリアな音質で…。マッマも自分の命よりワイのタイトルを優先する筈やからね、そこは分かっとるから別にワイから話す事は無いです。マッマに捧げるヒット&タイトル。あと変な情けは起こさないで、絶対確実に頃してくれるんやろ? オォン!!!!???? マッマのボディを透明にしてどうぞ(懇願)」
てな感じの想定外ムーヴで「急に城戸がマッマの命を軽視しだしたので」QKMに陥った芝池は四打席凡退であっさりと首位打者レースから脱落。更には、「マッマが確実に逝っとるか確かめないと不安だからポリスに動いてもらお」と、城戸が脅迫電話を受けながらその時点でポリスに通報しており、芝池は試合終盤で無事御用。ライバルにタイトルをプレゼントして自分は逮捕される、壮絶なブーメランボールが完成してしまったのであった。




