【イ軍編2469】ザ・英才教育ポジショニング
6年連続99敗をマークし、大暗黒時代を謳歌している事で新人獲得超困難状態に陥っている最弱イ軍。そのイ軍が、苦し紛れの数合わせで野球無名校の進学校から獲得した高卒新人内野手高梨が、春季キャンプで攻守に予想外の好プレーを連発。更に地頭の良さも相まって、上手く鍛えればまともな戦力になる可能性が漂ってきたのであった。
そこで球団上層部は、高梨の英才教育計画を作成。ベンチで常に監督の傍に座らせるように指示し、どのような意図で試合に臨んでいるのかが常に耳に入る環境で、野球を勉強させる態勢を整えたのであった。
だがしかし、高梨は夏頃から体調不良で欠場するようになり、遂にはシーズン終了待たずして、引退を申し出るに至ったのであった。後年、保険代理店としてプチ成功した高梨は、母校で依頼された講演で以下のように語ったものである。
「球団から監督の話を常に聞いとけいうて言われたんやけど、チームが弱過ぎてワイがおった1年だけでも7人替わったからね。それがまた全員野球観が違うもんだから、とにかく混乱しっぱなしよ。まだそれだけならええんやが、戦犯系ベテランズが全然言う事聞かんもんやから、監督もノイローゼ気味での~。黙々と殺すリスト書いたり、怪しい宗教のお祈りしたりする人がおったり、ほんまヤバ過ぎたわ。それで『こんなところにおったらダメになる』と思って、夏からは迫真の仮病で就活始めたね。イ軍で得られたのは、その時に培った演技力と、前職プロ野球選手という肩書だけやったなあ。ガチで環境が最悪なら、すぐにでも辞めた方がええで実際。どんな職場でも3年やらんと認めんいうのは、アレは雇う側が奴隷を少しでも使い倒そうとする妄言やね。そういう悪い大人に騙されたらアカンぜよ(震え声)」
※なお契約金3000万貰ってるのでトータルでは割とデカめなプラスだった模様




