【城戸編89】踏み絵
某武闘派新興宗教。
「我々に弱者の因子は要らぬ!」
と、教団内に蔓延る惰弱な精神を撲滅せんとする取り組みの一環として、あらゆる類の踏み絵が実施されたのであった。
その中でも、球界最弱、いや、プロスポーツ界でも世界的な弱さに定評があるイ軍、そして4番の「世界の空砲」こと城戸のポスターも、踏み絵として大いに活用されたのであった。
折しも、踏み絵を実施したされた信者の一人が、床に置かれた城戸のポスターを見るなり怒りの形相でマッハストンピング100万連打を披露。スタッフが何度も止めたにも関わらず、城戸のドヤ顔に執拗に踵を浴びせ続けたのである。
そして、裁定が下った。
「お前はイ軍ファンだな」
審問官から断定され、信者の男はスタッフに両脇を抱えられるグレイスタイルで連行されてしまったのであった。
「ちょ、待てよ!(キムタク風) あんだけ城戸のポスターを完全破壊してんのに何で俺がイ軍ファンなんだよ!!!!」
この絶叫に、審問官は誰が聞いても納得せざるを得ない回答を寄越したのであった。
「イ軍ファンなら一番の敗北要因である城戸が最も憎い。お前を始め、生粋のイ軍ファンは必要以上に城戸の踏み絵を崩壊させているのだよ」




