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【イ軍編2453】ロスタイム・オブ・心霊ボール
最弱イ軍の霊能者兼野球選手、宜保愛甲。霊力を使用して球を打ち易いコースに寄せたり、フライをグラブに吸い寄せるプレーで活躍したものであるが、基本は自分ファーストで個人事業主に徹していたものである。だが、現役生活晩年は、尽きかけていた霊力を他人の為に行使するなど、チームプレーに覚醒。成績自体は下がったものの、その献身的な姿勢で、現役生活が2年は延びたと言われたのであった。
それには、宜保愛甲がイ軍に移籍して出会った、「マウンドの詐欺師」こと第二先発の神崎のプレースタイルが、大いに影響していたのである。後年、宜保愛甲が自費出版した自伝で曰く、
「神崎さんの詐欺投法を丸パクリ――いや、参考にさせてもらったんよ。違法投球してるフリをして、その実、何の変哲もない球を投げるというアレやね。低コストで効果抜群いう事で、何とかワイのプレーに取り入れられないかと思うての~。それで、実際は何の関係も無い他人のラッキープレーを『フッ、実はワイの霊力でフォローしとったで』アピールして、査定でプラスを積み上げていったんや」




