【イ軍編2437】ホームラン不可避な情勢で兼業霊能者選手が取ったムーヴ!
強打のマ軍―最弱イ軍戦。
マ軍投手陣が珍しく乱調で、壮絶な打ち合いとなったこの試合、9回裏マ軍攻撃の段階で、16-16というスコアになっていたものである。
そして投手が尽きたイ軍は、マウンドに本塁打世界記録保持者(※打たれる方)風神を送り出し、四球死球四球で無死満塁。打席に本塁打王レースを爆走する四番倉田を迎えたのであった。
この、悪ければ場外ホームラン、良くてもスタンド前列へのホームランが予想される状況で、イ軍の左翼手である霊能者兼野球選手の宜保愛甲が謎のムーヴを見せる。そろりそろりと前進し、単打ならギリ本塁で刺せる位置にポジショニングしたのである。
「愛ちゃんがこんだけ前進守備いう事は、ホームランは無いという霊からのお告げの可能性が巨レ存…?」
「いや、宜保愛甲が霊力で打球の威力を落とすんやろ。霊だけに霊点に抑えるで(錯乱)」
と、俄かに期待感が高まるイ軍オタであったが、宜保愛甲の胸中は、当然明後日の方向だったのである。曰く、
「こんなの絶対ホムーラン確定の状況やんけ! ガンギレしたファンが何投げてくるか分からんから、秒速でベンチに戻れるよう、自分の命を前進守備やで(適当)」




