【イ軍編27】ランニングホーマー製造エリア
イ軍春季キャンプも中盤、1、2軍による紅白戦が行われた。
ファンへの顔見せの意味合いもあり、1軍チームは「アジアの空砲」こと4番城戸を始め、ほぼベストの布陣。対して2軍チームは、ドラフトで入団した新人やテスト等で加入した選手や等の新顔中心で、こちらもお披露目の感の強いオーダーであった。
果たして試合開始直後、2軍チームの新戦力たちがいきなり大爆発。
昨年ドラフト8位で唯一入団した(上位7人は全員入団拒否)高校通算4本塁打の数合わせ新人元井、「私を合格させないと霊が呪うと言っている」と、球団を脅して強引にテスト入団した野球選手兼自称霊能者である宣保愛甲、そして何の実力も無いのにたまたま同時期にテストを受けた選手が不調で棚ボタごっつぁん入団したオーストラリア出身の新外人ブラッドベリー。何と彼ら三人で、三連続ランニングホーマーの怪挙を成し遂げたのであった。
この珍事に、パネマジ広報白井率いる球団公式HPが
「平成のスーパーカートリオ現る!!!!」
などと凄まじい勢いで煽りを展開したのであるが、実力未知数の新人元井はともかくとして、宣保とブラッドベリーは鈍足で鳴らす選手である。
「ま~たイ軍の炎上マーケティングだろ」
と、世間からはほぼ決めつけられてしまったのであるが、実際、完全なヤラセというワケでもなかった。事実は、1軍チームの連中がエア自主トレと手抜きキャンプの影響でことごとく大幅ウェイトオーバーで打球を全く追えず、結果として三連続ランニングホーマーを演出してしまったという、想像を超えたしょーもなさだったのである。




