表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お笑い野球イディオッツ!  作者: 山岡4郎
おいでよ最弱の闇
33/5123

ドル箱イ軍戦(※)

(※)ただし対戦チームに限る


 一般的に、大不人気軍団、客受けしないチームとして認知されているイディオッツであるが、なかなかどうして、相手チームの興行担当者からは、意外に重宝されていた。彼らがビジターとして訪れた試合は、他チームの時と比較しても、観客の入りが良かったのである。

 何故か。

 理由は二つある。

 まず、イディオッツに球界のヒール、嫌われ者が集中していた事。

 実力の割に高額年俸かつ、態度の悪さも球界随一の主砲勢田。

 ビッグマウスながら肝心な場面で勝負弱い、勝負所以外では最強打者の城戸。

 不正投球疑惑で審判団から要注意人物としてマークされている神崎。

 球界一底意地が悪いとされる、若手キラー(自チーム含む)の綿貫。

 そして、彼らを率いる、勝利の為ならどんな手でも使うと公言して憚らない不二村監督。現役時代に、縁起試合(相手チーム選手の記録がかかった試合や、相手ホームでの優勝がかかった試合等々)を幾度もぶち壊した実績もあり、一部の野球ファンからは非常に嫌われていたものである。

 そして理由の二つ目。

 そんな絵に描いたようなやられ役のイ軍は、とことん弱かったのである。ここ数年、多少の波はあったが、大体は勝率4割以下のところをうろついており、悪くとも2勝1敗、チームの調子が良ければ3連勝を計算できる、安牌の対戦相手だったのである。

「絵に描いたような悪役相手の、勝つ可能性が高く安心して観戦出来る試合」となれば、観客が増えるのも道理であろう。特に、イ軍以外のBクラス常連球団では、数少ない勝てる相手として、観客動員増が顕著であったという。

 球界の鼻つまみ者集団のイメージが強いイ軍であったが、ビジターチームにとっては観客動員増が見込めて、球界全体としては貢献度が高かったという話なのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ