【城戸編501】秘技、お得意リリーフ召喚
「おうワイや! ――そう、リリーフ桜井! は? 投げてない? それがいい――いや、野郎はちょっぱや肩の5球でアップ完了マンやから、マウンドで投げさせりゃええやんけ! とにかくすぐ寄越してや!」
と、マ軍のブルペンに電話を掛けた監督――――のフリをした最弱イ軍の「40億の凡打製造機」城戸。マウンド上のマ軍先発大木を打ちあぐねての、得意なリリーフ召喚技なのであった。
本来なら悪戯電話で秒速終了となりそうな幼稚園児並の作戦であったが、折しもマ軍は首脳陣間、首脳陣―選手間で推しアイドルを巡る宗教戦争が激化しており、人間関係が最悪。特に監督は主力をスタメンから落としたり突拍子もないリリーフを突っ込んでみたり、嫌がらせみたいな采配を繰り返しているだけに、これがそのまま通る可能性は通常の三倍くらいはゆうにありそうな情勢だったのである。
果たして、「大木完封しそうなのに、何でワイが? 田中〇な実オタのリリーフなんてやりたくねーわ」みたいな釈然としない膨れっ面の桜井が登板。
(クックック~ン、ワイは大木はアレやが桜井からは通算打率6割だから…。ヒット1本、手堅く稼いどくやで)
と、邪悪な笑みを浮かべる城戸であったが、緊急登板で腕あったまってない&嫌いな選手のリリーフ&何で出てきたのかと首脳陣からディスを喰らうという三重苦で、コンディション最悪な桜井の制球は狂いまくり、見事城戸の右手首に命中。
「アオオ~~~~ッッッッ!!!!」
と絶叫城戸は安打どころか病院送りレベルの死球で無事死亡。直後に発売されたモンハンの新作を満足にプレー出来ない地獄を味わってしまう、オレオレ詐欺系ブーメランボールが完成してしまったのであった。なお、この後、右手が使えない城戸が左手一本でモンハンをプレーするザ・片手剣(物理)を編み出しEゲームの一ジャンルを築くのであるが、それはまた別の話である。




