【イ軍編23】社会人野球など我々イ軍の相手ではない
春季キャンプも中盤。
いよいよオープン戦を睨んだ実戦調整が入り出すというタイミングで、イ軍に昨年新結成した社会人チームから練習試合の打診が入ったものである――だが、結局はイ軍の回答は「今回は申し訳ないが…」というものだったのであった。
これに対し、「スコアロスマシン(凡打&エラーで)」ことイ軍の4番兼打撃コーチ(笑)城戸は、
「申し出はありがたいが、既にチーム内で試合形式の練習予定が組まれてたんだよなあ。それに、声かけてくれたチームは出来たばっかで今年が勝負と聞いている。そんな産まれたての小鹿みてーな相手にボロ勝ちしちまって、向こうのやる気をぶっ潰しちゃ申し訳ないだろう。そういう部分まで含めて、今回はこっちが空気を読んだという事だな。ま、俺らのプレーを見てプロの技術を盗みたけりゃ、金払って見に来てくれってこった」
と、超上から目線で訊いてもいない誰得話を延々と語ったのであった。
一方その頃、イ軍球団社長と名物「パネマジ広報部長」白井。
「ふーっ、危なかった。何とか試合回避できたな」
「エア自主トレと手抜きキャンプで、弱小社会人チーム相手でもウチの連中は100回やったら200回負けそうな惨状ですからねえ」
「不二村監督がキャンプのブルペンで審判と揉めて球場出禁になってたのが幸いしたな。奴がいたら絶対受けてたわな」
「いつだったかのオフにやったたかし軍団やOB戦の時と違って、時期が時期だけに今度負けると本当に言い訳のしようがないですからね。今回は相手が空気読んでくれて本当に助かりました」




