【草加部編③】ショカフトンター
イ軍の正遊撃手こと「ワザと捕っている」草加部が過労で離脱。
この事態を受けて、2軍で攻守結果を残していた若手の増山が抜擢された。
「遂に一軍の老害大好き痴呆首脳陣も若い俺らに切り替える気になったようだな。使ってくれさえすりゃあ、結果を残してやるっつーの!」
と、鼻息荒く一軍に合流した増山であったが、一週間も経たぬ内に自慢の守備を完全崩壊させた挙句、打撃まで狂わせて二軍落ちしたのであった。
その後、程なくして復帰した草加部に対して、監督不二村がボヤいたものである。
「おうクサよ、待ってたぜ。二軍でイキのいいのがいるってんでお前の代わりに使ってみたんだが、全く駄目だったわ。ただのビッグマウス野郎だったよ」
この物言いに対し、普段はテキトー極まりない草加部も、今回の過労による故障が不二村采配が原因とあって、さすがに突っ込まざるを得ないのであった。
「いやね監督、あんたが攻撃優先のオーダーとか言って守備がザルな奴ばっか使うからですよ。この一か月、セカンド、レフト、センターが糞守備過ぎて、ショートのカバー範囲がショカフトンターになっちまってる。若い奴はせめてショフトかショカンド、最悪でもショカフトぐらいから使ってやらねえと、潰れちまいますって」




