【イ軍編2342】これが最弱流、火の玉ストレートだ
「ヘイヘイヘイッ! 誰でもいい、イ軍内で『火の玉ストレート』投げられる奴はおらんのかッ! マネーなら出すッ! まあお気持ち程度は…(小声)」
というお触れをぶち上げた、「球界の掃き溜め」こと最弱イ軍の新球団社長。自分とこのキッズが、「火の玉ストレート」が代名詞のF川Q児のオタで、引退に伴い、「もう野球つまらンゴ」と、ベースボールへの関心消滅。野球しか共通の話題が無い親子の危機的な状況を、パッパの威厳と職権で何とかしようとした末の、苦し紛れのムーヴであった。
だが、最高級のお薬(意味深)を飲んでも球速がせいぜい140km前半にしかならない爆炎投手陣では、MAX156kmの火の玉ストレート再現など夢のまた夢。このままでは馘首されると焦った投手コーチが、ロッカーでおぎゃーと泣いているところを、
「しょうがねえなあ~、ちょっと違うけど、一応火の玉ストレート何とかしてみますわ」
と名乗り出たのは、イ軍が誇る霊能者兼野球選手、宜保愛甲であった。
果たして、宜保愛甲は近所の墓地から二つの人魂を召喚し、それを纏わりつかせたボールを投じる火の玉ストレート(ビジュアルはそれっぽい。ていうか人魂ストレート)を投入。当初こそビビりまくった相手打者であったが、ボールと人魂の違いがはっきりしており、実質、本職でない野手が投げる単なる120km台の棒球ストレートである事が即バレ。次々に弾丸ライナーでホームランを叩き込まれ、弾道が火の玉ストレートだったとかいう、綺麗な心霊系ブーメランボールが完成したのであった。




