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お笑い野球イディオッツ!  作者: 山岡4郎
おいでよ最弱の闇
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【イ軍編2332】必殺! エア・デューケ!

「頼む! ホムーラン王のタイトルとインセンティブゲットするには、ここでラスト追い風が必要なんや!!!!」

 と、必死にホーム球場である東〇ドームの空調係に頼み込むのは、今年、突然変異のまぐれホムーラン量産で、激しいタイトル争いを繰り広げているバ軍13年目外野手の富田。しかし、これまでホムーランとは縁が無く、事あるごとに「ウチの空調係はスター贔屓し過ぎるDQN」と散々ディスっていただけに、空調勢の対応は塩&ブリザード。

「追い風は無理。ユーみたいに『ドームランがどうとか』つって無駄な煽りをする奴のせいで、相当目を付けられてるから…」

 と、お断りされてしまったのであった。


 果たしてシーズン最終戦。

「ワイがタイトルホルダー育てた」

 アピールしたいバ軍監督の計らいで、あからさまなタイトル狙いで一番に座った富田であったが、追い風無しを宣告されたとあって、お通夜ムード。だが、試合直前、空調勢から、ボールボーイを介して謎のメモが渡されたのであった。

「打ち上げたらとにかく走れ。それがホムーランキングロード。向かい風でこそ道が拓ける」

 という、ポエム兼とんちみたいな文面の真相は、すぐと明らかになる。

 第一打席、半信半疑の富田が左翼に打ち上げた飛球を、対戦イ軍の城戸(本来は一塁手だが、この日は年俸交渉の材料「色んなポジション守った」実績作りたさで強引に左翼へ)が、

「どうせお得意のドームランやろ」

 と、ロクに追いもせずにぼっ立ち。そこに、空調係が必殺の向かい風、トルネード、突風、等々、様々なウインド要素を絶妙にブレンドした自然な風(屋内という意味では超不自然なのだが)で撹乱し、城戸のポロリ――――そしてランニングホムーランを演出したのであった。

(空調ニキが書いて寄越したのはこの事だったんか! 初タイトルごっつぁんです! 何とか金を使わず、お礼の挨拶だけで済ます方法考えよ)

 と、邪悪な笑みを浮かべる富田であったが、調子に乗った富田が、塁間を走りながら城戸の焦ったポロリムーヴを何度も何度も真似した事が運の尽き。ポロリの残像が脳にこびりついてしまった公式記録員の、

「城戸の守備範囲からすると厳しい気がしたがーー正直アレはエラー判定止む無しやろなあ」

 という判断で、ランニングホムーランの筈が一転エラーになってしまい無事死亡。

 エア・デューケ(エル・デューケ…公爵 のパクリ)の協力も虚しく、悪の自滅によって、ジャスティスは保たれたのであった。

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