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【イ軍編⑲】錯覚ブルペン
かつてはド軍の4番手先発として10勝を挙げた事もあるものの、寄る年波には勝てず解雇され、昨年のトライアウトでイ軍に拾われた衛藤。
イ軍での初キャンプ、エース相原を除く主力投手が一斉にブルペン入りし、衛藤も投球をお披露目したものである。そして、何球か投げ続けるうちに、マスゴミからは一際熱い視線が注がれるのであった。
「さすがにド軍で先発ローテに入ってただけあって、モノが違うな」
「うむ、衛藤は今年やるんじゃないか」
というヒソヒソ声が耳に入るに至り、衛藤もいよいよ気合が入るのであった。
その夜のスポーツニュース。
復活を期す衛藤の映像が流れ、ド軍関係者は一様に驚いたのであった。
「うわっ、相変わらず球速出てねえなあ…。もう無理だろうな」
「しかしマスゴミがやたら持ち上げてんのがウケますね」
「そりゃあれだけ酷いイ軍投手陣と並んじゃうと、あんな状態でも良く見えちまうわなあ」
「イ軍の連中、エア自主トレだったのがバレバレな体型とコンディションですもんね藁」




