【イ軍編2260】傲慢な若手投手に決して後ろを振り返らせない男達がいた
「今のは156km出とったやろ!!!! ――――――は~~~~ッ!!!!???? 148km!!!!???? スコアボードぶっ壊れとるやろ!!!! 秒速修理して直るまでワイは投げんぞゴルァ!!!!」
てな感じで一球投げる度にバックスクリーンを振り返っては球速確認、からの一喜一憂して自滅する事に定評のあるパリーグのオ軍の若手剛球投手上家。年間二桁勝てる才能があると見込まれてはいたものの、精神面で全く成長が見られず(むしろ退行)、10年目にして遂に自由契約、流れ流れて最弱イ軍に加入したのであった。
果たして上家はイ軍でも球速確認からの自滅を繰り返していたのであるが、いつの頃からか、症状が消滅。後ろを振り返らなくなったのであった(なお点取れない守れないイ軍野手なので結局勝てないのは同じであった)。
「強豪オ軍が10年かけても育てきれなかった上家を、たった一か月で仕上げてしまうワイら(震え声)」
「これは今年の年俸交渉楽しみやなあ。育成料5000万ぐらい請求したろ!」
てな感じで勘違いオブ勘違いと化すイ軍ナインであったが、上家の悪癖消滅は、ある意味では彼奴等のお陰だったのである。以下、マスゴミ取材に答えて曰くの本人コメント――。
「ええ、後ろをね、確かに振り返らなくなりましたわね。いやだって、球速表示以外に、嫌でも守備陣が目に入るワケじゃないですか。『ワイはこんなザル守備を抱えて投げんのか』と思ったら怖過ぎてイップス5秒前になっちゃってね。それで後ろを振り向けなくなったと、そういうワケなんですわ(震え声)」




