【イ軍編2246】「〇〇はエース言われて高い給料貰ってんだから、奴が投げとる試合でエラーしても謝らなくてええで」
最弱イ軍で唯一他球団と渡り合えるエース相原の先発試合。プロ入り初の一軍昇格で7番右翼でスタメン出場した新人奈良橋は、1-0でリードしていた7回、一時逆転される2失点に直結する痛恨の後逸をやらかしてしまったものである。
その後、何とか挽回しようと必死のタイムリーで相原の負けは消したものの、誰がどう見ても足を引っ張ったのは間違いなく、試合後、謝りに出向いた――――奈良橋を止める者が居た。イ軍のチームリーダー(ほぼ100%自称)、「40億の凡打製造機」こと城戸である。
「ユーが何考えてるか、分かっとるで。相原にサーセンするんやろ? いや、そんな必要無いで。野郎はエースとか呼ばれて、それだけの給料貰っとるんや。気にせんでええがな」
そういう城戸本人は、本日4タコ2併殺&記録上はヒットだが限りなくエラーに近い手抜き守備――さすがに真似は出来ないが、切り替えの早さ(と言っていいものかどうか)はプロらしい――だけに、アレな意味での説得力はあった。
(SSS級戦犯だ八百長野郎だ言われとるが、後輩への気遣いはメジャー級やんけ城戸さん)
と、良心の呵責が軽減されてホッとした奈良橋であったが、城戸から続いた言葉には、さすがにおったまげ&苦笑い不可避に追い込まれたのであった。曰く、
「――もう第何次か分からんが、野手VS投手の本格抗争の真っ只中やからな。今季は年俸闘争で絶対譲るつもりないから、野手一丸となって投手ディス、根拠あろうがなかろうが謝罪絶対NG態勢やから4946(しくよろ)やで」




