霊とルーキー、時々こども野球おじさんズ 2/3
果たして、寮に訪れて霊視をした宜保愛甲は、どうしたものかと思案に暮れていた。建物、相原、そして他の入寮者にも霊の気配は一切無し。除霊する対象が見当たらないのである。
そして、宜保愛甲のヒアリングの結果、こども野球おじさんズが霊障と決めつけてビビっていたのが、どうも相原の夜間練習で発生する投球、打撃マシン、ランニング音なのであった。
(確かに、久しく自主練する奴なんていなかったから、彼奴等が勘違いするのも無理ない可能性が微レ存…?)
さて、どうするのが一番自分のお財布がホットに――いや、みんなが幸せになれるか?
こうして宜保愛甲は熟考の末、誰もがWin-Winになりつつ自分のマネー的に一番Winになれる方策を実行。
霊はこども野球おじさんズに憑いていると断言し、知人のお寺へ除霊目的で派遣。実はこのお寺群、草野球のチーム編成で困っているところを厳選しており、野球をやって褒められる経験に飢えていたおじさんズはガンギマリ不可避、そのままプロ引退からの地域社会に封Win。お寺も草野球チーム強化と地域の過疎化阻止でWin。球団的にも合法的に粗大ゴミを処理――いや、前途ある若者に第二の人生を提供出来てWin。前述の3つのWinにより、お寺から紹介料、球団から処分料を受け取った宜保愛甲のお財布も超Winと、素晴らしいスピリチュアルボールが完成したのであった。(つづく)




