3068/5133
霊とルーキー、時々こども野球おじさんズ 1/3
戦犯系ベテランズに投打に渡り足を引っ張られまくり、年間10前後は勝ち星を消されている事に定評のある最弱イ軍の若きエース、相原。そんなド直球な事情があり、チームメイトの大半と険悪ムードの相原であったが、霊能者兼野球選手の宜保愛甲は、数少ない例外なのであった。以下、そのきっかけとなった事件について記す。
相原がイ軍に入団して寮に入った直後、「あの新人は霊に取り憑かれている」といった噂が、イ軍内部でまことしやかに囁かれたものである。当時はまだ相原が頭角を表す前で、今のような人気と実力に超嫉妬ではなく、割と純粋にファクトベースのネタなのであった。「ぼくちん、怖くておねんね出来ないッ! (徹ゲー…徹夜でゲームが捗るわい)」
という、いい歳して寮から出ていかないこども野球おじさんのコンディション崩壊、寮全体のモラルの問題(既にモラルなど存在していないも同然であったが)もあり、球団関係者が宜保愛甲を寮に召喚。一勝いくらのインセンティブで、除霊を依頼したのであった。(つづく)




