【イ軍編2194】「マウンドの詐欺師」、若きエースを爆アゲしまくる
「相原なあ、若いのに大したモンだよ。普通はあれだけ打てない守れないで足引っ張られたら、野球辞めるレベルで気持ち切れるけどな。それでも新球マスターしたりフォーム変えてみたり、まあとにかく色んな事やってるわな。超一流の技術持ってるのに、未だに三流の俺にアドバイス求めたりして、見上げた貪欲さだよ。俺があいつの歳の頃は、何も考えずに若さに任せてテキトーに投げてたもんだが…。だから蓄積が無くてなあ、20年近く先発ローテで投げ続けてんのに、100勝出来てないんだよ。年平均5勝も出来ない、哀れなロートルなのよ俺なんて…。まあ棺桶に片足突っ込んで引退5秒前の俺の事はどうでもいい、とにかく相原、相原よ。セリーグで優勝狙うには、いかに奴を攻略するかに掛かってんじゃないかな。イ軍戦で差をつけるのは、もうそこしかないからな。ある意味、セリーグを左右する存在だわな。他を捨ててでも、奴に集中したチームがセリーグを制するだろうな…。とにかく凄え奴だよ」
てな感じの「マウンドの詐欺師」こと最弱イ軍の二番手先発神崎による自分への爆アゲに対して、当の本人である相原は、実に嫌そうに抗議したものである。
「またそんな思ってもない事並べ立てて…。神崎さん、あんたの魂胆はバレバレですよ。他球団のマークをこっちに集中させて、隙を突いて勝とうってんでしょ。全く、野手だけじゃなくて投手にも敵がいるんだから、たまったモンじゃねえよなあ…」




