【イ軍編2187】最弱球団の監督が誰にも渡したくない仕事がここにある
シーズン最終一か月、「40億の凡打製造機」城戸ら消化試合の鬼達が存分に個人技を発揮しながらも、奇跡的な噛み合わなさで単月勝率3割台をマークし、貫録の6年連続最下位フィニッシュでガンギマリした「球界の掃き溜め」こと最弱イ軍。
監督(シーズン6人目)の向田は敢え無く馘首と相成ったのであるが、
「監督して最後の仕事がある。これだけはやらせてくれ」
と、懇願。まあ確かに新監督がやるよりは選手の事を分かってんだろうし、その間は無給の条件飲むんなら…と、遣り甲斐搾取をしつつ、球団は承諾したのであった。
「向田監督(元)、もう辞めさせられたのに、事務仕事しとるらしいで」
「ワイらにお別れのお手紙書いてくれとるんでは…。一万語の手紙より、一枚の一万円札やで」
「再就職の為の研修の可能性が微レ存…?」
等々、能天気な妄想花盛りなイ軍戦犯系ベテランズであったが、向田のテンションは、それこそ死んでも死にきれないレベルのガチ感だったのである。以下、イ軍「パネマジ広報」白井とその部下の感想戦――。
「向田はん、選手連中に相当ヘイト溜まっとったんやろなあ。『整理対象選手リストだけはワイに作らして下さいッ!』って…。相原や草、神崎以外、ほぼほぼ全員入っとったらしいで」
「城戸さんは名前が10個ぐらい入ってたらしいです。まあいくら整理リスト作ったところで、契約の縛りや人手不足で、実際はほとんど首に出来ないですけどね選手は…」
「まあ、それで向田はんの気が済むなら安いもんやろ。無給やし。球団的にも『勝てる戦力の供給を怠った』みたいな感じで変に訴訟を起こされるよりは、無償のセラピー提供して皆満足、Win-Winやで」




