【イ軍編2186】絶対に守りたい開幕投手の秘密がここにある
「今年の開幕投手はエースの相原――――――――と世間には思わせといて、マテヨ。チョ・マテヨで行く。この事は他言無用、予告先発は相原の名前を出しといて、仮病か何かで引っ込めてマテヨ投げさすから」
とは、最弱イ軍の首脳陣の新年会での一コマ。昨秋に就任した新監督が開幕での奇襲戦法を、コーチたちに告知したものである。と、同時に、
(さ~て、ユーたちの機密保持力はどんなもんかな…? 情報が洩れなければイケるやん、漏れれば犯人を捜して負けた理由を全力で被せる、どっちにしてもワイ得なんやで)
てな感じの監督の思惑が存在していたのであった。
果たして、開幕投手マテヨは、予告先発発表日まで世間にバレなかった。
(これは意識高いコーチ陣キタ~ッ! ワイはユーたちを誇りに思う。こんだけ言う事聞いてくれるんやったら、成績不振でも何人か身代わりになってくれそう)
と、邪悪な笑みを浮かべる新監督であったが、真相は以下の通りであった。
「開幕投手大穴マテヨ、大量失点オッズが限界まで高まっとんねん! 賭博で独り勝ちする為に、誰が情報漏らすカイヤっつーの!!!!」
そう、意識高いどころか、ギャンブル狂オールスター首脳陣だったのである。
※尚、予告先発発表日当日、マテヨが「そんな急に言われても…(※監督が選手本人を一番信用してなかったので、通告も当日であった)。もう社会人なんだから、ちゃんとアポイントを取ってもらわんと困るで。開幕日は将軍様がテレビ中継観ない日やから、何言われても投げんやで」と、頑として登板拒否。借金までして賭け金を突っ込んだコーチ陣は、無事死亡したのであった。




