【城戸編80】絶対に三振させてはいけない打者
「新宿大虐殺」とも呼ばれ、イ軍が一方的にフルボッコにされる展開が大半のマ軍戦。
しかし、イ軍先発神崎の違法変化球がキレまくっていた事もあり、今日は珍しく1-1のロースコアで8回裏に突入。イ軍が一死一二塁のチャンスを作ったところで、打席には4番「チャンスで最も顔を見たくない打者(※ただしイ軍ファンが)」こと城戸である。
このピンチに火がついたか、マ軍先発の若きエース引地が8回にして150kmオーバーの速球を連発。エースと主砲(笑)の、息詰まる攻防が繰り広げられたのであった。
果たして、城戸を三振に切って捨てた引地は、しかしマウンドに集結したマ軍内野陣、そして監督に激しく詰められたのであった。
「おい! お前独りで野球やってんじゃねえんだ!」
「アウト一つ損してんじゃねえよコラ」
引地も不満を漏らすでなく、ひたすら恐縮の構え。
最後に、マ軍監督が呆れたようにボヤいたのであった。
「城戸の野郎はランナー一塁の場面で9割併殺のミスターダブルプレーなんだぞ。そんな自動ゲッツー製造機がバットに当てられない速さの球を投げちゃって、どうすんだよお前は…」




