【イ軍編2168】――新宿ベースボールキッズ物語――
世界でも有数の歓楽街である歌舞伎町を擁する「眠らずの街」新宿。
アジア一の治安を誇る日本とは言いながらも、さすがに様々なジャンルの店を構える危険地帯とあって、成長期のキッズのメンタルにもダイレクトに悪影響。
しかし、「球界の掃き溜め」こと最弱イ軍が、いたいけなキッズ達(ベースボール属性持ち限定)の早寝早起きに、一役買っていたものである。曰く、
「早く寝ないとイ軍が契約しに来るわよ!(byマッマ)」
プロ野球の枠を超えて、社会的にもヒールの地位を固めているイ軍だけに、「絶対イ軍だけには入りたくない」というキッズのピュアなハートに強く作用し、彼ら彼女らの睡眠時間確保・ネットデビュー遅らせに貢献していたのであった。
だが、そんな状況下にあって、頑なに夜更かし、何なら徹夜しまくるキッズがいた。
「たっくん! はよ寝なさい! こんなに寝ないんじゃ即身仏待ったなしやでわよ!」
てな感じで半狂乱マッマに詰められたたっくんであったが、その口から語られた夜更かしの真相に、マッマも思わず涙不可避に追い込まれたのであった。
「だって…寝ない子にはイ軍が契約しに来るンゴ? たっくんがイ軍と1おく円で契約して、マッマとバッバにおうちを買ってあげて、楽させてあげるンゴ…」
その後、頑張って夜更かしを続けるたっくんの元に、イ軍は契約にやってこなかった(そらそうよ)。この時、イ軍との契約で貰うつもりだった1おく円の使い道を必死に考え、それでも時間が余った為、翌年の税金の計算まで着手。たっくんが税理士を志すようになるというハートフルな展開になったのであるが、勉強が全然出来ない為に多浪を重ね、12浪で受験を断念。多浪のプロ芸人としてプチ狂い咲きし、マッマとバッバにちょっといいお墓を買う事が出来たのであった。




