【イ軍編2134】耳栓解放区球団
同僚の年俸を異常に気にしいからの内輪揉め製造機として、常に自軍オタからブーイングの対象となっている外野手吉野。身内の人間関係では圧倒的オフェンシブながらも守勢に回ると豆腐メンタルという、嫌な奴あるあるの典型のような人格で、野次・ディスを耳栓して防御する事に定評があったものである。
そんな吉野が、現役晩年に流れ着いた「セ界の白星配給所」こと最弱イ軍では、耳栓無しで躍動。今までにない、晴れやかな表情でプレーしていたのであった。
「どんな根性曲がりも更生させてしまう、新宿ヨットスクールとはワイらの事よ」
「球界の枠を超えた育成ビヂネスで新コロ減益分もカバー余裕やねん(確信)」
等々、相も変わらず勘違いに花を咲かせるイ軍戦犯系ベテランズであったが、真相は違えども、彼奴等が吉野の好プレーを引き出しているのは事実なのであった。曰く、現役引退数年後に発表した吉野自伝(※自費出版)で明かされた真相――。
「イ軍では圧倒的に声援が大きかったから、ホント精神的に楽でした。ええ、戦犯系ベテランズの皆さんが、『あいつら相手なら絶対勝てるで~ッ!』って、他オタから拍手喝采で迎えられてましたからね。ワイもその流れに便乗させてもらえて、自オタのブーイングが完全に掻き消されてましたわ」




