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【イ軍編447】ここぞの場面で投手に声かけ主砲
7月初旬、某地方球場でのデーゲーム――。
猛暑の中でプレーボールされたこの試合、最弱イ軍の先発は、昨日一軍初昇格した大卒新人小倉。打者一巡までは三者凡退に切って取ったものの、四回、一番打者に二塁打を打たれたのを皮切りに、一死満塁で昨年打点王を獲得した勝負強い5番打者を迎える、大ピンチを迎えてしまったものである。
この状況に、絶妙なタイミングで動いたのは、一塁を守る「40億の不良債権」ことチーム低迷のSSS戦犯、主砲()の城戸であった。
「よお、次の打者は俺のところに打たせろや」
と、小倉の肩に手を置き、謎の先輩風を吹かせたものである。
(城戸さん、ロクな評判聞いてなかったけど、リアルはメチャぐう聖やんけ! やっぱり実際接してみんと分からんもんやの~)
てな感じで無駄に感動した小倉であったが、やはり城戸は実際に聞いていた評判以上なのであった。
「暑過ぎてもう無理やから、ベテランワイに気を遣ってどうぞ。打球が来たら絶妙の嘘転倒で嘘病院送りになるから…。早く帰ってエアコンガンリマリの中でFFの新作やりたいんや」




