【イ軍編2098】「しまった大失投しちまった~ッン!!!!」大作戦
五回裏・二死満塁で、打席には打率3割5分をマークするマ軍の新進若手強打者白戸。「マウンドの詐欺師」こと最弱イ軍の先発二番手神崎は、勝利投手の権利目前で、大ピンチに追い込まれていたものである。
ここで神崎は、必殺の決め球である不自然にちょっとだけ落ちる魔球(意味深)を投じ――その瞬間、頭を抱えたのであった(小さい投球フォームですぐ守備に移れる神崎ならではのムーヴであった)。
だが、白戸は中途半端なスイングで空振り三振。神崎は頭抱えからの、ヒェ~ッ助かったサンキューゴッド~ッ! ポーズで天にお祈り。ベンチに戻る道中、イ軍遊撃の草加部が、
「えっ? まあまあの球だったんじゃないの?」
と、狐につままれたような顔で訊いたのであるが、神崎の回答におったまげ&草不可避に陥ったのであった。
「いや、あれは投げたワイと打者にしか分からん、絶妙に少量の変化する、最高にキレのいいスピッドボール(※異物塗り付け違法投球)やで。――ホレ、ワイの失投ポーズに誤魔化されたマ軍の打撃コーチが『何であのヒョロ球三振やねん!? 八百長かオォン!?』ぐらいの剣幕で白戸を激詰めしとるやろ。ベンチで険悪な雰囲気になって打線大便秘不可避、今日の完投勝利に向けて、重大な布石打ち成功やで(確信)」




