【イ軍編2097】「ピンチの時ほど絶対面白くなるから」
「こういう超ピンチの時って、逆に絶対面白い物が出来るから。もうめっちゃワクワクしまくりんぐだわな」
と、同僚である本塁打世界記録(※打たれる方)保持者“風神”がマウンド上で二死満塁と追い込まれる姿をブルペンのモニターで眺めながら、「マウンドの詐欺師」こと最弱イ軍の先発二番手神崎が、前述の男気コメントを添えたものである。
(ヒェ~ッ! 世間の評判は最悪やけど、何か神崎さん無駄にカッケ~ッ!)
と、この日一軍に初昇格してきた高卒2年目リリーフはおったまげたのであるが、モニター上では信じられない光景が繰り広げられていた。
打席に立った8番打者の凡ゴロが、一塁城戸と二塁ブリが相手に押し付け合っている間を綺麗に割ってコロコロと外野へ。当然アウトになると思ってベンチに戻りかけていた中堅リバースと右翼宜保愛甲は、面倒だから何も見えないフリをして黙殺(カバーという概念が無い世界)。その間に打者走者まで生還し、見事満塁ホームランが成立。からの、動揺した風神のヒョロ球を投手が豪快にセンターバックスクリーンへ打ち込みホームラン。更に当てて転がすタイプの現役7年で通算本塁打3本の1番打者が、
(さっきの打球マジパネェ~ッ! こっち飛んでこなくてよかったンゴ~)
と、ホッと一息付いている三塁魅沢を直撃するライナーを放ち、
「おんぎゃ~ッ! 痛い痛いッ! 入院不可避レベルで痛いンゴお見舞いの品は札束入り饅頭で4946~ッ!」
てな感じで全力リアクション芸を繰り広げる魅沢のユニフォームに打球がインしてしまい、誰も手を出せない(出したくない)状況の中、内野安打がホームランと化して無事死亡(なお一イニング二本目)。
「wwwwwwwwほら~絶対面白くなるって言っただろ? イ軍は毎日想像以上の事が起こるから、見てて飽きないんだよなあ(なおチームの勝利とかは遥か昔に諦めてる模様)」




