【イ軍編2091】霊能者VS風使い! 異次元の野球バトル!
これまで若手時代に偶然得た霊力を悪用し、ここぞのヒット、四死球で現役生活を20年近く送り続けてきた、最弱イ軍の霊能者兼野球選手の宜保愛甲。しかしながら、38歳と野球選手としては高齢化し、肉体の衰えが霊力(そもそもそんなに強くない)でカバーし切れなくなりつつあったものである。
そんな、引退五秒前と思われていた宜保愛甲であったが、ここに来てドーム球場で怪しげなポテンヒットを量産。ドームに巣食う霊を呼び出して、球を落としているとの噂が球界と心霊愛好家の間に激震を走らせたのであった。
だが、著名な霊能者がテレビの心霊番組の企画で調べたところ、宜保愛甲は全くのシロ。後年、宜保愛甲が書いた自伝「スピリチュアル・ボール――霊と私と時々、野球――」で、仰天の真相が明らかにされたのであった(以下、抜粋)。
「――あの頃は打球が飛ばなくなって、いよいよ駄目だと焦りましてね。かといって霊力を乱用したら、それこそバテて1試合持たないし…。それで、SNSで、『ドーム球場なら、高さ〇〇メートルまで打ち上げれば何とかなる。霊がスタンドまで運んでくれる』みたいに煽り投稿したんですわ。そしたら狙い通り、各ドームの空調係が全力で逆風送風してくれましてね。それで打球が変な落ち方しまくって、ヒット量産出来たと、そういうワケなんです」




