神のお告げ
今季、イ軍に鳴り物入りで加入した元メジャーのスーパースター三塁手、ジャック・フランシス。
アームブリスターと異なり、メジャー200発の実績は本物だったのだが(アームブリスターは同姓同名の別人であった)、5月も半ばに入って自打球を右足甲に当てて骨折。それを受けて、緊急記者会見を開くという。
会見場の後方にはワザとらしく十字架が掲げられており、フランシスが「神のお告げがどうたら」等の理由をつけて、早晩帰国するのではと、その時点でマスゴミたちはほぼ確信していたものである。
しかし、事態は意外な展開を見せる。
会見場に現れたフランシスは、
「私は逃げない。神がイ軍を助けろと言っている。骨折はしていても一軍に帯同し、試合には可能な限り出場する。ファンの皆さんは安心してほしい」
と、力強く言い切ったのであった。
その後、神への感謝、チームメイトへの思いなんぞを語り出し、くっさい上に押し売り全開の感動演出が始まったのであるが、新スポ記者からの、
「出場試合数や打席に応じてのインセンティブが凄いという噂があるんですが、それ目当てですか? また、一軍から落とせないという密約の存在は本当ですか?」
という質問が投げられるや否や、しょっぱな逃げないと言っときながら
「くっ、足が痛み出したので…」
と、会見を切り上げて全力で逃走。会見場は大失笑に包まれたのであった。
この一報にイ軍ファンは大激怒。
今年40歳のフランシスは完全に峠を過ぎており、開幕から凡打失策無気力プレーの嵐で、「球界のブーイングバキューム」こと4番城戸に匹敵するレベルでイ軍ファンからディスり倒されていたのである…。




