【城戸編442】無形の力でエース超援護していた主砲
数年前、最弱イ軍のエース相原が、敗戦処理のリリーフから成り上がり、先発でテストされていた時分――。
155kmの直球と145kmのスライダーのコンビネーションで押しまくる荒い投球で、概ね好投はしていたが、そこはドラフト下位指名の哀しさ。監督からの信頼が薄く、ちょっとピンチを迎えただけで、すぐにリリーフを送られてしまっていたものである(※なおリリーフが炎上し、負けだけは相原に付いていた)。
だが、そんな不安定な起用は、相原が先発に廻って2か月後、初の完投勝利を記録した事で終わりを迎える。
「アレはね、城戸さんのおかげでしたね。当時からチャンスで凡打、ピンチでポロリで足を引っ張られ通しだけど、そこはそれだから」
と、「40億の不良債権」「新宿のポロリマン」こと城戸への感謝を口にする相原であったが、そこにはやっぱり城戸ならではのしょーもないオチが存在していたのであった。
「あの試合、確か城戸さんの苦手な投手が先発で、仮病でスタメン落ちしてたんですわ。で、ベンチで隠れてゲームばっかやってて、監督がガンギレしちゃってね。試合中3時間、ずーっと城戸さんに説教してて、俺がピンチになってもグラウンド見てないから、全然気づかなくてなあ。それでやっとリリーフ出されずに済んで、完投出来たんだわね」




