【イ軍編2037】100日後に…
「ファッ殺ナ騒動は調子乗りヒューマンにアースが下した裁きやねん。だからワイは、エコ練習を推進せんとす」
というワケの分からない論法で、謎の深夜練習を打ち出した最弱イ軍の新監督細川。深夜の二軍球場に選手を集め、鈴虫の鳴き声だけが聴こえる無灯火練習を課したものである。
だが絶対失敗すると思われたこの試み、意外にも選手の気迫の入った声、打球・投球音が鳴り響き、闇の力のプリミティブさに感化されたか、おサボり達者のイ軍ナインも何かがガンギマリしたかのように精を出した――――かのように思われたが、やはりそこにはイ軍ならではのオチが存在していた。
選手が練習していたかに思えた前述の状況であったが、連戦連敗でチーム掌握出来ずの責任取らされ五秒前で焦った細川が、これ全てCG班に頼んで作らせた合成音声だったのである。
だが、ファッ殺ナで減益傾向の球団が敢えてその事実を伏せ、新心霊スポットとして自軍球場を心霊オタに売り込み。「100日後に成仏する野球選手の霊」として便乗商法に乗り出し、その流れから細川は野球を諦め怪談師として第二の人生を歩み始めたのであった。




