【チョ・マテオ編①】CM起用の真相
イ軍の新外人投手、北朝鮮系ベネズエラ人のチョ・マテオがまさかのCM起用。
変化しない変化球と120km台の直球、肥満体でパッとしない容姿と、イ軍生抜きと言っても誰も疑わないレベルでイ軍選手らしいこの微妙戦士に、まさかCMの口がかかるとは…。
「さすが最先端を行く日本のCM業界、『北のキムタク』と呼ばれたこの私を放っておかなかったか」
と、本人はご満悦であったが、
「どうせ総連系のコネだろ?」
「将軍様のコスプレさせられて恥をかくに違いねえ」
イ軍戦士たちは妬み全開でディスりまくるのであった。
果たして、問題のCM放送開始日。
チョが、
「俺のスーパーフォークを撮りたいっつーから、投げまくってやったわ」
と、ドヤ顔で煽りまくった事が、イ軍選手達の突っ込み精神に火をつけた。
ロッカールームでCM放映をチェックしたのであるが、突っ込み以前に――大爆笑。
「フォーク投げてます」
のテロップが出ている中、チョが淡々と投げ続けているのだが、30秒のCM終わり間際になって、
「落ちない! 朝北予備校!」
のキャッチコピーで締め。
チョのフォークの落ちなさを買われた、予備校のCMなのであった。
この日まで完パケを見せられていなかったチョは大激怒、
「ちょ、待てよ!!!!」
と、「投げ込みもそんぐらいやりゃあいいのに」という勢いで件の予備校に怒りの抗議電話100連発。
だが、そんな事をする以前に、あまりにもセンスの無いCMを放映した事で朝北予備校自体の評判が大暴落、遂には廃業に追い込まれ、社会から落ちこぼれてしまったのであった…。




