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【城戸編73】今年こそ本気出す
「今年こそ本気出す」
前シーズン、トレーニング不足が原因の怪我で僅か34試合の出場に終わってしまったイ軍城戸。やる気の無さに定評のある彼もさすがにヤバいと思ったか、力強く決意表明をしたものである。
城戸が再出発の地に選んだのは、自らの野球人生スタートの地、小学生の時に初めてグラブを握った実家近所の公園であった。
新スポの電話取材に、
「情熱を、取り戻す」
と、短く答え、城戸は元旦自主トレに臨むのであった。
が、地元の健康ランドで寛いでいる姿が速攻で目撃されてしまったのであった。
だめだこの狼中年、何も変わってない――。
新スポの電話取材に、しかし城戸はこう答えたものである。
「公園が潰れて健康ランドになっちまってたんだよ。折角だから、じっくり体作りから始めようと思ってな。は? サボり? バカヤロ! ここで基礎を固める事が大事なんだよ!」




