【城戸編435】日本最強打者が魅せたエスパー守備
春先のマ軍―イ軍戦。
両エース真田、相原が一歩も譲らない投手戦で、8回までスコアは0-0。そんな緊迫した状況で、二死からマ軍打線の3番岩城が二塁打を放ち、4番島井を迎えたものである。
島井は引っ張り専門の荒い打者ながらも、不思議と相原に相性が良く、通算打率3割5分。敬遠も考えられた場面だが、負けず嫌いの相原は敬遠指令を見なかった事にしてガン無視し、勝負を選択。匙を投げた首脳陣は、せめて八百長疑惑回避の為に、内野手全員を二遊間に並べる、特殊シフトを敷いたものである。
果たして、相原が投じた初球。力の入った150kmオーバーの直球を、島井はここぞとばかりがら空きの内野右へ流し打った――と思いきや、何故か内野の右側に猛ダッシュしていた一塁の「40億の不良債権」城戸に直撃。あまりの激痛に崩れ落ちた城戸、から転々としたボールを相原が拾って一塁ギリギリアウト。城戸のファインプレー? と、思いきや、担架で病院送りになる際に放ったコメント、
「聞いてねーよ! 島井は引っ張り専門で凄い打球飛ばすから、怖くて逃げただけなのに、何で逃げた方に打球が飛んでくんだよ!!!!」
にて、オチがついたのであった。




