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お笑い野球イディオッツ!  作者: 山岡4郎
おいでよ最弱の闇
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【新スポのイ軍番 尾藤編①】新スポ仕事初め

 俺が新スポ(※東京新宿スポーツ)に入社して初めての仕事は、地元チームであるイ軍の主力の城戸と勢田の、元旦からの合同自主トレの記事を作成する事であった。

 しかし――

「? 取材に行ったりはしないんですか?」

 という当然の疑問に、

「いや、いいんだ。奴らの場合は取材出来ないから」

 と、先輩の佐久間は答えたものであった。

 この人は何を言ってるんだろう……。自主トレの現場に取材に行かず、原稿を作れというのである。

「そうか、まだ何も分かんねえ新人だもんな。いいよ、教えてやろう」

 薄給激務の上に子供を4人抱える生活苦で疲れ切っているのだろう、顔面蒼白で無表情ながらも、佐久間は私に丁寧に教えてくれた。

「いいかい、球団公式HPでは城戸と勢田で元旦から自主トレやってるという事になってるが、そんなもん、実際にはやっちゃいねえんだ。やってないものは取材出来ないから、過去の写真と想像で記事を構成する。フォトショップに自信があれば写真を合成してもいいが、新人だからまだ無理だろう。去年の自主トレ写真を反転して使おう。去年の自主トレ写真つっても、これもどっかからか引っ張ってきたんだけどな(笑)。どうせ誰も関心がねえから、意外にバレねえんだよこれが。記事に関しては、奴らの去年の成績を見て、課題なり抱負なりを適当に書いといてくれや。な、簡単だろ? イ軍の場合、事件は現場で起こってない、むしろ机の上で起こしてやるんだよ」


 こりゃとんでもねえとこに入っちまったもんだな…と呆気に取られてしまったが、何でもアリの無勝手流でイ軍監督不二村に復讐出来る予感に、俺の胸は黒い歓びに高鳴ってくるのであった…。

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