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【イ軍ファン編⑦】泣ける応援旗
イ軍期待の若手大型扇風機…いや、大砲長森。
一本気で真面目な長森は、ブーイング目的で球場に来る愉快犯系のイ軍ファンと、折り合いが悪かった。
度重なるヤジとディスりに耐えかねた長森が、
「お前ら言いたい事があんなら直接来やがれコノヤロ!!!!」
と、マスゴミ向けにやっちまってからは、「無駄打ちキング」こと4番城戸に次ぐブーイングを喰らうまでになってしまったのであった。
だが、そんな殺伐とした関係にも、変化が生じていた。
ホーム側の右翼席で、長森ディスりの最大派閥が彼奴の打席の際に、巨大な応援旗を懸命に振り廻すようになったのである。
イ軍ファンによるまともな応援なんぞ何年振りだろうか話題になるレベルの珍事で、これにはさしもの長森も、
「あいつら…やるじゃねえか」
と、意気に感じざるを得なかったのである。
一方その頃、右翼席のイ軍ファン連中。
「よーし、今日も長森の打席はブン廻しまくるぞ! 奴のホームランを旗で叩き落として思い知らせてやろうぜ!!!!」




