【イ軍編⑤】超シークレットファン感
マスゴミの記事作成用として、イ軍からファン感謝祭のダイジェスト映像が送りつけられたものである。
このファン感、「超シークレット」として銘打たれており、参加者は完全抽選、場所も非公開、マスゴミが取材に行きたくても行けない(まあ積極的にイ軍を取材しようというマスゴミも珍しいのであるが)という、非常に珍しい形態であった。
さて映像を眺めてみれば、会場であるどこかの球場が超満員となっており、4~5万人はファンがいそうな勢い。その大量のファンたちが、城戸、神崎らイ軍の主力選手たちに、大歓声を送る、非常に熱気のあるファン感となっていたのであった。
一方その頃、イ軍広報室。
「白井部長、それにしてもウチのCG班はホントいい仕事してますね」
「ああ、『早く引退して欲しい選手5年連続1位』でいつも大ブーイングしか喰らってない城戸に大歓声とか超不自然だが、全然嘘っぽくないもんなあ」
「まさか実際にはファン感やってないなんて、マスゴミも思わないでしょうねー」
「おお、これだけしっかりした映像見せてやりゃあ、奴らもコロリと騙されるだろ」
「経費も節減出来てファン絡みのトラブルも防げると、一石二鳥すね」
「まあな。リアルでファン感やったら、最下位回避かかった試合でダブ(併殺)った城戸に対してファンが絶対暴動起こすだろうしな。今回のバーチャルファン感は、ファンの怪我を未然に防いだ、俺たちの隠れたファインプレーと言えるわな」




