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【城戸編63】貫録の逆チームプレー
甲死園でのダ軍―イ軍戦。
5回表、「併殺キング」ことイ軍の4番城戸の打席。
降りしきる雨の中、こんな時いつもならサッサと早打ちしてベンチに戻ろうとする城戸であるが、今日は違った。臭い球を全てファールでカットし、柄にもなく粘りまくるのである。
城戸がこれ程までに投手に球数を投げさせるなど、一体いつ以来の事なのか。というか実はチームバッティング出来るんじゃないか。
驚異的な粘りで魅せる城戸に、甲死園のダ軍ファンも感動したものか、激しい雨に打たれながら城戸にやんやの歓声を送るのであった。
一方その頃、イ軍ベンチ。
「おい城戸! 早く凡退しろ! 雨で試合が成立しなくなっちまう!」
「あの野郎マジでふざけてやがる。せっかくこっちが11-0で勝ってるのに、自分が3の0だからって打率下げない為にノーゲームにするつもりだ!」




